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数週間前にパプアに来たJICA職員、阿部さんと晩御飯にいきます。
阿部さんは2004年にザンビアへ青年海外協力隊に行かれていたそうで、
今からは想像もできない
過酷な環境で活動されていたようです。
具体的には…
・電気無し
・水道なし(井戸水)
・ガス無し(火は七輪)
・ソーラーパネルは無線用
てな感じで僕らパプア隊なんかより
ずっと過酷な環境で活動されていたんだとか。
やっぱり、歴代隊員には
偉大なレジェンドが多いですね…。
今の隊員の環境は恵まれているなぁ~と思ってしまいます。
これを聞いて
「うわ~…海外協力隊って大変そう…興味はあるけどちょっと自分には…。」
と思われる方も多いと思います。
でも、今は絶対大丈夫!たぶん…。
最近は安全管理とかの面で厳しく
なっているので水も電気も全くないような
ぶっ飛んだ任地に送られることはないはずです…たぶん。
という事で今回は、
パプアニューギニア隊員の
生活事情を紹介、協力隊員が
どんな感じで生活しているのか、
そのリアルを記事にしたいと思います。
主にプライベート
生活環境と周辺環境に焦点を当てた記事です。
この記事の目次
パプアの発展度
今回この記事で紹介するのはJICA海外協力隊の生活事情。ここでパプアニューギニアの発展レベルを紹介しておきたいと思います。
パプアニューギニアは大洋州諸国の経済をけん引するような国(他の国と比べて国土が…)です。ですが、南米やアフリカ発展部のような突出した経済力はありません。なので、協力隊の派遣国の中では中程度の発展レベルだと思ってください。
生活環境
簡単に言うと
ネット環境、水道、電気
全部整ってます。どれも日本と比べると不安定で不便ですが、全くないという事はないので慣れてしまえば大丈夫です。
ネット環境
普段僕のブログを見ている方ならお馴染みかもしれんが、僕の家は部屋の中心にいると電波が入ってきません。いっつも窓際にスマホを置いてテザリング⇒パソコンでブログをあげています。
電波が切れることもよくあるので、その時は、椅子から立ち上がる⇒窓際まで行く⇒SIMカードを入れ替える⇒戻ってしばらく待つ。みたいなことをしなければなりません。ですが…
こんなんしとるの僕だけだった(笑)
パプアのどこに
3Gアンテナが3本以上立たん任地があったか…無知って怖いですね(笑)
僕はこれがパプアの普通だと思って1年半くらい過ごしてました。
じゃあ、パプアの普通はどれくらいかというと…
家の中なら3Gは当たり前。
電波の良い所に行くと4Gの使える任地がちらほらある感じです。
時々電波障害でネットがつながりにくくなる時はあるみたいですが、僕みたいに毎日電波がつながらなくてイライラしながらネットをするようなことはないようです。
パプア1周や分科会で他任地に行ってネットをしても僕の任地ホスキンスほどつながりにくい場所はありませんでした。なんだかなぁ〜…
なので、日本にいる家族と連絡を取ることで苦労することはあまりありません。
しかし、パプアはLINEがかなり使いにくいので、Messenger、Skype、 WhatsAppなどの他のアプリをインストールしておくのがオススメ。LINEと相性がいい携帯会社もあるんですが、その会社が派遣された任地で使えるかどうかはわからないので…。
そして、
YouTubeも見られます。
以前記事にもしましたが、画質を最低(144p)まで落とせばほぼストレスなく動画の読み込みができます(笑) ホスキンスでも毎日この方法でYouTubeは見れていたので、大丈夫です。
ただ、数十MBのアップ、ダウンロードはめちゃくちゃ時間がかかります。
スマホ、パソコンのシステムアップデートや重いアプリのダウンロード、YouTube動画のアップロードは素直にあきらめた方がいいです。
特にポケモンGOみたいな重たい人気ゲームアプリは絶対にアップデートできないので気をつけましょう。
『パプアって南半球だからポケモンGOでガルーラ出るやん!』と思っていた某隊員が2年前くらいに絶望してたのは有名な話。
水道
上水道
上水道は全ての州で設置されています。
キンベを除くすべての州都の上水道は安定していて基本的に渇水でシャワーも浴びれない…という事はまずありません。
(ただ、お湯が出る家はほとんどないです。まぁ、暑い国なので大丈夫ですが…。)
ただし、州都以外の田舎になると…
地下水をくみ上げたり、↓
雨水をためたタンクを使ったりするのが一般的。
時々すごい田舎で井戸水を使っているのを見ますが、一番メジャーなのは雨水タンクですね。
しかし、地下水のくみ上げや雨水タンクはすぐに使えなくなったり、水が無くなったりします。
そうした場合どうするかというと…
近くの他の水源に水を確保しに行きます。
学校の地下水くみ上げの水道を使ったり↓、
少し離れた雨水タンクに水を汲みに行ったり↓、
一番ひどい場合はかなり離れた川まで水を汲みに行かないといけない場合があります。↓
※川を頼るしかないってことはほとんど起こらないですけどね…
※詳細はコチラ(動画)で↓
こういう感じで
ライフラインがあまり整っていない任地を
パプアでは『はずれ任地』と呼びます。
え…?僕の任地?そりゃあもう、ぶっちぎりのはずr…ゴホンゴホン…!
下水道
首都やゴロカなどの発展した街では下水道処理施設の整備が進んでいる場所もありますが、
ほとんどの場合、
下水は『下水タンク』で処理されます。
簡単に言うと下水処理槽の簡易版。
タンク内で汚物と上澄みに下水を分離、上澄みだけが隣の濾過槽(石詰めの洞穴)に移って最終的には地面に戻っていくシステムです。
※詳しくはコチラ↓
しかし、この下水タンクは設置に大きな労力とお金がかかるので、それが払えない村ではぼっとん便所が主流。衛生面を考慮して家から6m以上距離を置いて外に設置することがパプアでは一般的です。(たぶん小学校で習う)
中はこんな感じ。
↑この墓石みたいな台に便座が引っ付いたようなタイプのやつはかなり珍しいですが…
しかし、現時点でトイレが外かつぼっとん便所の隊員はパプア隊員約30人中1人しかいません。よほど運が悪くない限りこんなところに派遣されることはないのでご安心ください。
※詳しくはコチラ↓
※ぼっとん便所の場合、水が必要ないので断水時に絶望するという事がないという利点も一応あります。下手に水が出ない状況で普通のトイレしかない場合は衛生面がとんでもないことになるので考えものです。(まぁ、パプア人と共同生活をするようなどこぞの任地でなければ発生しない案件ですが…(笑))
電気
パプアでは電気は比較的安定。…でした(笑)
最近、政府(公共企業)がガス会社に金を滞納するというアホみたいな事件を起こしたせいで最近はどこの州も計画停電が発生しています。
※詳しくはコチラ↓
そのほかでも雨が降ったり風が強かったりすると電線が切れて停電してしまったり、原因不明で停電したり、電線が盗まれて停電してしまったりすることはよくあるみたいです。
まぁ、これは電線が来ている場所の話で、電線も来ていないようなド田舎任地ではガソリンでジェネレーターを動かして発電しています。
ただし、このジェネレータータイプは燃料にぶっ飛んでお金がかかるので毎日の計画停電は避けることができません。
※詳しくはコチラ↓(3週間で〇〇万円かかるんです…)
ジェネレーター勢は365日、1日の半分(平日)か4分の1(休日)しか電気が点かないのが一般的みたいです。外れ任地の要素の一つですね。※その代わりイレギュラーな停電はほとんどありません。
周辺環境
ここまで生活に関する環境を書いてきましたが、次は周辺の環境へ。
途上国での活動。派遣前の訓練では物資が不足する状況でどう活動するかがテーマになって訓練が行われたりします。
しかし現実は…
大体何でもある。
流石、大洋州の経済をけん引するパプア。全ての州で必要なものは手に入るスーパーがありました。(ここ2年の間にできた優秀なスーパーも多いみたいです)
パソコンやアクションカメラなどの性能の良い最先端アイテムは手に入りませんが、それ以外のものは大体中国資本ののストアが仕入れてくれています。(この国は中国が進出してくれているおかげで回っていると言っても過言ではありません)
手に入る最も価値の高い商品としてはスマホとかコピー機とかですね。それ以外はちょっと性能と値段のつり合いが取れなくなっていきます。
↑パソコンとかもあるけどね…。性能のわりに値段高過ぎ。
(1キナ:約30円)
もしほしいものがなくてもamazonで商品が注文できる圏内の国なので基本的には大丈夫です。
まとめ
という事で、超ザックリパプアニューギニアの生活事業をまとめてみるとこんな感じ。
生活環境:△
・ネット環境:〇
・水道
上水道:〇(田舎:△)
下水道:〇(田舎:極稀に△)
・電気:△(田舎:ほぼ×)
周辺環境:〇
はい。てな感じの環境で現在のJICA海外協力隊員は生活しています。歴代のレジェンド青年海外協力隊員からしたらイージーすぎる環境なのかな…と思っちゃいますね…。
なによりスマホ・インターネットは世界中で普及しているので、昔よりかなりストレスフリーで活動できるようになっている気がします。
この他にも交通網やパプア人、治安のクセが強いので決して活動しやすい国と言うのは難しいですが、総合的に見ると物は大体そろっているのでまぁまぁな派遣国なのかな?と思います。他の国がどれほどのものかは知りませんが…。
てな感じで、水がなくて死にそうになるような環境に協力隊員が送られることはないので、うまく適応すればどんな環境でも生きていけると思います。確かにこれでも十分大変な環境ですが、この環境に身を置くことで人として成長できることも確かです。
ちなみに僕はパプア隊の中で一番バケツシャワーがうまくなった自信があります(笑)
もし、JICA海外協力隊を生活環境の不安から応募を迷っている人がいたら、思い切って向う見ずに応募してみるか、自分の行きたい派遣国の隊員のブログやSNSでコンタクトを取ってみるのがオススメです。協力隊ってどうしてもやることがなくてSNSに手が伸びることが多いので…(笑)
協力隊は日本では絶対に経験できないことが経験できるすばらしい機会なので、ぜひいろんな人に利用してほしいです。
以上、
JICA海外協力隊の生活事情に関するまとめ記事でした!