青年海外協力隊の活動

パプア人が最も苦手とする2次元問題、「表面積」に打ち勝つ!

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今日も授業です。
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現在、人間の消化管

をやっているわけですが、

今回は最難関のトピックです。

 

それがこれ。

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はい。小腸とかの

「柔毛」ですね()

 

柔毛と言えば

中学校理科の鉄板トピック。

 

「くねくねしている形のおかげで

表面積を増やして効率的に栄養分を

吸収できるよ~」とか

「この柔毛を広げるとテニスコート

〇面分になるんだよ~!」という

教え方が日本ではおなじみですよね…

 

日本では中学校の内容ですが、

パプアでは高校2年生ので取り扱います。

 

 

実はこの

「表面積」
パプア人は大の苦手。

 

2次元以上の物体の展開、

論理を話しても生徒は、

「???」

となってしまいます。

 

昨年グレード12

生徒をワリンディリゾートへ

海洋生物の勉強会に引率した際も…

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「魚のえらはくねくねしていて

表面積を広げて酸素をとりやすくしてるんだよ!」

 

という説明にも

グレード12の生徒は

「???」状態。

 

これには

講演者(うちの理科主任の息子)

も苦笑いしてました。

 

 

というくらい、

パプア人は2次元以上の

物体を頭の中で展開したり、

動かしたりすることが苦手です。

※引率した生徒はうちの精鋭部隊、

他の分野はピカイチです。

 

今日はこの
「柔毛の表面積」

に挑みます。

 

こういう

実験・観察もほぼ不可能、

画像や絵でもなかなか連続性を

伝えきれない時は・・・

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はい。

モデルをつくります。

 

左が柔毛(2本)ありの腸。

右が柔毛なしの腸です。

 

授業の最初の方に

「どっちの方が内側の表面積が大きい?

指さして!右?左?

とクイズを出すと、

7割以上が柔毛なし
の方を指さします

これは計算内。

 

こっからが本番。

 

表面積は超簡単に言うと、

「手で触れる部分」のこと。

 

筒のままじゃ内側を触りにくいので、

生徒の目の前で柔毛を伸ばして、

切って開いてみます。

そしてそれを黒板に。

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柔毛を伸ばすと輪の大きさは
柔毛なしのやつよりも大きくなり、

切って開いてみると明らかに
柔毛ありの方が
面積がでかいのがわかりますね。

※柔毛はvilli(ヴィライ)。

 

パプア人はこういう

図の展開が脳内でできないので、

実際に目の前で展開してやると

「おっ!?」となります。

 

ここで

「柔毛は表面積を増やす役割がある」

と説明。

 

しかし、

これでもわからない生徒がいます。

体感的に3以上がまだわかってません。

 ※多分、「柔毛」という

聞きなれない言葉が理解を邪魔してる…


こういう感じで、

目で見てもわからない場合は、

「彼らの体験」
から表面積を考えさせます

 

 

今度はチキンの絵をかきます。

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「どっちの方が茹で上がりが早い?

そのままのやつ?切ったやつ?どっち?」

 

当然ながら全員が

切った方を指さします。

(これがダメだったら詰み()

 
ここで
「何で?」と質問。

 

彼らの答えは

大体「切ったやつの方が小さいから」。

 

う~ん・・・

合ってるけどちょっと違う()

 

ヒントは表面積。

切った方には切り口がある。

 

お湯たちは、外側だけでなく、

切り口にも触れるようになる。

 

だから茹で上がりが早くなる。

 

「切る」と、新しい表面積が出てくる。

柔毛はこれの逆で「折り曲げる」と

大きな表面積がコンパクトに収まるようになる。

 

お湯の気持ちになってみて!

腸を通る食べ物の気持ちになってみて!

がキーワードで、より多くの部分に触れる

(表面積が大きい)のはどっちかを考えさせると

「あ、そっか。」と納得してくれる生徒が多いです。

 

 

しんどいし、手間がかかるし、

時間がかかりますが、

(柔毛付きの腸はきれいに折るのが地味に難しい…)

これ以外にベターな方法は今のところないです()

 

 

「柔毛は表面積を増加させることができる」

ともう一度説明して、後は問題演習。

 

以下が生徒に出した問題の一つ。

 

問題:柔毛の役割は?

柔毛は「???」を
増加させることができる。

 

 

ここまでやればみんな正解できるでしょう!

と思っているそこのあなた。

甘いです…

 

ここまでやって、

ここまでやってですよ?

8の生徒が書く答えがこれ。

柔毛は「栄養」を
増加させることができる。

 

 

僕の授業とは・・・?

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実はこれ非常によくあることで、

パプアの生徒は文脈や流れ、
こちらの意図を汲む、
読むのも
大の苦手。

問題の時間になると

その授業で習った事をきれいに
脳内リセット
してしまいます・・・

※授業と問題は全く別の話だと思ってる

(授業で一言も話してない単語を答えで書いてる生徒がよくいます)

 

 

今日の授業の目標は

「吸収のしくみと表面積の大切さを知る」

黒板にも書いてある。

 

表面積を説明した紙と絵が問題の横にも残ってる。

 

「柔毛は表面積を増加させることができる」

と何回も強調して言った。

 

 

 

でも大半の生徒が書くのが
「栄養」。

 

確かにね。

「栄養」という言葉もたくさん使ったけども。

けどもね…!?
そこは「表面積」って書いてくれ…!

 

サッカーで超絶アシストパスを出して

後はチョンと足で触るだけでゴールになるのに、

ゴールとは逆方向にボールを蹴られる感覚です。

 

僕の授業とは・・・?

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パプアの生徒に

勉強を教えるのは日本の数十倍大変です。

楽しいけどね()

 

以上、

普段の授業を紹介しただけの記事でした!

(今日は授業以外書くことがほんとになかった…)

 

 

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