久しぶりの
「だってパプアだから…」
シリーズ。
今回は最初に
いつもの
「あぁ、パプアだなぁ~」
という出来事を3つ書いて、
その後にパプアの問題点というか
なんというか、ちょっと真面目な話を書いてます。
5/16
今日はテストの日です。
明日のよくわからんイベントで、
今日もなくなるんじゃないかなぁ~
と思っていたんですが、
フツ―に大丈夫でした(笑)
だけど、
新たな問題が。
はい。
テストが
印刷されてなーい。
(↑学校で印刷されたテストはここに届けられます)
テスト用紙は
原本を月曜に出して木曜日までに
印刷してもらう予定だったんですが、
昨日になっても印刷されていませんでした。
なんかプリンターの調子でも悪かったかな?
と思って事務室をのぞいてみると、
事務員のおばちゃんが
「インクがないのよ」と教えてくれました。
※パプアではプリンターの台数が少ないという事もありますが、
印刷は事務員さんの仕事です。
服部
「明日、このテストを
したいんだけど、印刷間に合う?」
事務員のおばちゃん
「間に合う。間に合う。
今日の午後街に行って印刷してくるから。」
服部
「ほんとに間に合う?」
事務員のおばちゃん
「間に合うわよ。」
絶対間に合わないだろ(笑)
とは思っていましたが、
ここまで予想通りにやってくれると
もう笑えて来ます。
「昨日は街に行かなかったのよ。」
と堂々とした言い訳をするおばちゃん。
【だってパプアだから…①】
なぜ昨日あれだけしつこく
聞いたのに「間に合う」と言ったのか…
仕方がないので、
自分のプリンターで印刷しました。
でも、テスト時間には間に合ったので
全然いいです。
そんなこんなしていると、
いつもとチャイムの鳴る時間が
違うことに気付きました。
そうです。
お決まりの
「今日は30分授業!」です。
普段の35分授業×8、40分テスト×1
を30分授業×8、40分テスト×2
にしたパターン。
これにすると、
生徒は今何時間目のチャイムが
鳴っているのかわからず、
めちゃくちゃになるんですが、
それでも今日の朝いきなり決めたようです。
案の定、学校は
ぐっちゃぐちゃに。
そんな状態で、
昼休みの時間(5時間目の前)
に教室でテストの準備をしていると、
6時間目にテストを予定していたクラスの
生徒が来ました。そして…
「ミスター…テストするの?」
服部
「するよ。さっきも(1時間目)
言ったじゃん。6時間目だよ。」
生徒
「今6時間目だよ?」
服部
「何言っとん?
時計見ろ。(一蹴)」
どうして
昼休みが6時間目の授業になるのか…?
明らかに時間間隔がおかしいのは、
別にいいんですが、一番おかしいのは…
【だってパプアだから…②】
こういう生徒が何人も
この後も別々に来て
おんなじ質問をしてくること。
イライラする(笑)
そして
テスト中。
誤字とかをすると修正液が要ります。
ですが、修正液を持っている子は
あまりいません。
※パプアはボールペンで文字を書くのが主流です。
修正液を持っている子を
周りで探す・見つける。
「貸して~」とサインを送る。
(向こうがこっちに気付かないと成立しない)
投げて修正液を受け渡しする。
文字を消す。乾くのを待つ。
そして書く。そしたらまた間違えた。
・・・となるので、
ぶっ飛んで時間が
かかるのがパプア。
こういう時は
見ているこっちがイライラするので、
「ミスったり、余白が足りなかったら
テスト用紙の裏面を使ってもいいよ~」
と言います。
「僕がわかるように
答えが書いてあればいいから。」
と伝えて、彼らがとるおかしな行動は3種類。
【だってパプアだから…③】
1.それでも見栄えを気にして
修正液が回ってくるのを待つ。
2.「ミスター、裏にどうやって書けばいいの?」
と質問してくる。
3.「ミスター、裏に書いたから覚えといてね」
と口頭で裏に書きましたアピール。
(「『文字』で裏に答えがあるよって教えてね」って言ったよなおれ?)
もちろんこんなことをしない
ちゃんとした生徒もいるんですが、
こういう生徒の割合は結構多いです。
まぁ、総括すると、
だってパプアだから…
です。
ここからちょっと真面目な話。
今回は3つの
「だってパプアだから…」
な話を書きましたが、
こういう出来事がおきて最近よく思うのは、
「あいつら、
『生きる力』が
ひっくいよなぁ…」
ということ。
僕が言っている『生きる力』
は「サバイバル能力」ではなくて、
機転というか、
物事の本質を見抜く力というか、
学力とは違う、テストで測れないちょっとした能力です。
パプア人の
「サバイバル能力」は大したもんです。
気候に助けられている部分もありますが、
簡単な家をつくる能力は日本人とは桁外れです。
でも、
「生きる力」はてんでダメ。
僕が言いたいのは
現代の世界で生きる力です。
だってパプアだから…①②③
を見てもらったらわかると思うんですが、
彼らは超初歩的な問題を解決することが
できません。
だってパプアだから…①
忙しかったら人に頼むとか、断る力。
先を予想する力。
だってパプアだから…②
時間がわからなかったら
職員室にある時間割と時計を確認しに行く、
そしてわかったことを情報共有する力。
だってパプアだから…③
今一番自分にとって楽、適切な手段は何なのか、
どうやったら僕に裏に書いていることが伝わるのか
考える力。
それぞれにおいて、
学力以外の色んな力が欠けています。
彼らは携帯(時計)を持っています。
時計も時間割も職員室にあります。
的確な指示を出せる先生も…
一応います(笑)
それでも解決できません。
日本で彼らが就職したら総スカン
くらうでしょうね(笑)
確かに、
文化的にこういう「生きる力」
が育ちにくい境遇に彼らはいます。
なので、
いきなり、日本人みたいにキビキビ
動け!と言ってもそれは不可能です。
(これが文化。)
でも、
そんな彼らが受けている
(目指している)のは
日本みたいな教育。
覚える、詰め込む、
問題に正解することが全て。
「生きる力」が育ちにくい気が…
僕的に
こういう「生きる力」は
考えたり、相談したり、
チャレンジしたり、体験したり、
そういう高度な(純度の高い)学びが
(教わる学びでは限界がある…。(学力においても))
実際に僕も
日本のお固い教育を受けているので、
こういう「生きる力」を本格的に
身に着け始めたのは社会人に
なってからな気がします(笑)
(部活もやってなかったし。)
高校で
「考える」授業を、
やってたら僕も彼らも、もうちょっと
違う学生になってた・なるんだろうか?
それとももっと前の
小・中学校から始めないといけないのか?
どこから
始めたらいいのかも
よくわからない
「(現代で)生きる力」。
スンゲー大事で、
多分人が持つ力の中で一番偉大な力
っていうのは感じるんですが、
いかんせん日本の教育はこういう力を
見ていない(ないがしろにしている)
気がするので、どう考えていいのか
あんまりよくわかりません。
お手上げ。
誰か助けて(笑)
ただひとつわかっているのは
日本以上にパプアは
「生きる力」を育てる
教育が必要だという事。
だって日本よりも
そういう力が育ちにくい文化だから。
※日本人には教育(学校)で扱わなくても、
人の気持ちを察する文化や発展した社会の中で
自然に身につける機会がある。だから今はギリギリもってる。
なので、
もしパプアがこの先も
先進国を目指して
発展していくのなら、
日本みたいに変なシステムだけできちゃって
身動きが取れなくなるような
教育になる前に、思い切った舵を
とる必要があると思うんだけどなぁ…
まぁ…
1人のボランティアが
できることは一生懸命授業すること
しかないんですが(笑)
以上、
最近よく感じる
パプア人の「生きる力」、
パプアが取るべき教育の形
についての話でした!
長くてすいません・・・