12/25
クリスマスですが特に予定はありません。
今日もブレンディとしか
話さない1日か…
と思っていると、
誰かが寮のフェンスを開けて
入って来ました。
「Mrハットリ~」
この声はMrグニギムです。
久々。
(パプア人はこんな感じで知らん奴を「ワントク」(家族)と言って連れ歩きがち。)
最近家から物音がしないので、
帰省したのかと思いましたが、
違ったようです。
どうやら、葬式があって
長い間不在にしていたとのこと。
「長い間声がかけられなかったから、
これあげるよ!ヘッヘ~!」
と何か茶色い液体が入った
ペットボトルを差し出してきます。
あ、これはまさか…
「これって
*ジャングルジュース!?」
*パプアの自家製の酒のこと
と聞いてみると…!
「ヘッヘ~。そうだ!
ここら辺ではマトゥカ
って言うんだぜ~。」
おぉ…。パプア人との会話で何度も
聞いたことのあるマトゥカと
ジャングルジュース。
まさか同じ酒のことを指すとは…
(知らんかった)
色々話を聞いてみると、
原料はバナナでそれを酵母無しで
発酵させ、蒸留して作るそうです。
蒸留して作成するので、
アルコール度数が高いのが特徴。
パプア人がよく言うのが、
「ワンハンドレットパーセント
アルコール!ストロング!」
です。
蒸留した後、火にかけると
大炎上するんだとか…
試しに飲んでみると、
めちゃくちゃキツかったです笑
コーラで割っているらしいですが、
食道がキュ~ってなりました笑
味は…
別においしくはない。
(大事なところ↑)
フツーのウイスキーです。
Mrグニギムもすでに飲んでいるらしく、
いつもよりテンションが高め…
(パプア人は酒に弱い)
まぁ、この酒自体に興味は全くないんですが、
個人的に気になっているのはその
蒸留方法です。
前の職場でスギやヒノキのエキスを
蒸留して抽出する実験を生徒とした
ことがあるのですが、蒸留装置を作るのは
かなりの工夫が必要です。
↑こんな感じで、蒸発した気体を
集めて冷却、水に戻す機構が必要です。
純度100%に近い酒を
このパプアでどうやって蒸留しているのか…
非常に気になります。
はい、ここで久しぶりのパプア検定です。
難易度は最上級の1級問題ですが、
なかなかいい問題になってます。自信作。
問題:このマトゥカはパプアの家庭に
あるものを使って蒸留され、作られています。
その「あるもの」とは何でしょう?
ヒント1:僕のブログにも結構出てます
ヒント2:↑の蒸留装置の形に似たものです。
ヒント3:色んなものを組み合わせて
作るのではなく、1つのものをそのまま使います。
答え:ガスシリンダー
(ガスボンベ)
これを聞いた時、
その手があったか…
と感服してしまいました笑
ガスボンベにバナナを入れ、
それを熱し、気体になって
チューブを通るアルコールを
川の水で冷やして作るそうです。
やるな…
確かに密閉性の高いガスボンベなら
気体を漏らさずチューブに送れるし、
チューブ自体もゴムでできているので
形を変えて川の水とかで冷やしやすい。
普段はガスボンベとしてしか
見ていませんでしたが、発想の転換で
酒の蒸留に使えるとは…
パプア人が考えたのかは知りませんが、
とてもあっぱれなアイデアでした笑
これで生み出されるのが
酒でさえなければパプアは
もっといい国になるんだけどなぁ…
そんな事を考えさせられた
クリスマスでした。
ちなみにMrグニギムは
「今日何日だっけ?」
と聞いてくるほど
クリスマスな自覚がなかったけど笑
どうもMrグニギムありがとう!